経済学(正確に言うとファイナンス)を勉強すればするほどお金がいらなくなる矛盾

要約

入社式から葬式までに必要なコストとリスクを積み上げるとその間に必要なキャッシュフローが計算できる。そして、その額は標準的なサラリーマンの場合(適切にコストとリスクを管理すると)、平均年収よりも明らかに小さい。

前置き

ネットを始めてわりとすぐに黒木掲示板に出会い、それからずっと経済学をコツコツと勉強し、ついには経済学の教科書*1を買う段階までようやく到達し(=買ったけどほとんど勉強してない)、それに比べればファイナンスの方は全然勉強してなくて山形先生のうけうりなわけですが(まあごく一部のファイナンスの専門家を除けばネットのファイナンス関係の言説で山形先生よりも優れたものなんてほとんどない*2のでまあ専門的に勉強するつもりがないのでこんなもので良いかなと思っているわけですが)、勉強するうちに分かったことがあります。お金はそんなには要らないんです。

本文

以下、期待効用関数は自分についてだけ考えます(=独身者あるいは子供のいない共働き(DINKS)家庭*3と考えても良いです)。かつ、都市生活(しかも東京近郊)を前提にします。

  • 住宅
    • 借家で十分
      • キャッシュでマイホームを買える人は別ですが
    • 貴重な東京の土地をなんだと思ってるんですか?>一戸建て
      • マンションあるいはアパート
  • 本(など趣味に必要なグッズ)
    • 保管コスト高すぎ
  • CD,DVD
    • 繰り返し再生する物以外はレンタルあるいは電子データで
  • 安全
    • お金があればあるほど安全じゃなくなりませんか?
  • 貯蓄
    • 家族に金を残すよりは自分で使った方が効用が大きいので、将来必要になる分だけ貯蓄すればよい
  • 保険
    • 保険のファイナンス的解説は省略。ただし、利殖目的なら投資信託を買うのが正解とだけ書いておきます。
    • 家族に(以下略)なので生命保険は葬式代があれば不要。前述の理由で住宅保険も自動車保険も不要。
    • 必要なのは損害保険だけ。
      • 保険金は家財の分程度
  • 貯蓄
    • 家族(略)なので老後の生活費に必要な額だけ貯蓄すれば十分
    • ハイリスクハイリターンを狙うのはリスクを吸収できるお金持ちだけ
      • ローリスクローリターンかミドルリスクミドルリターン(投資信託か電力株か公社債ぐらいあたりまで)で
    • 株とか外国通貨建て投資とか
      • ギャンブルとしてみれば寺銭はラスベガスのカジノの方が良心的*4なわけですが*5、ギャンブルでない理由はありますか?
      • 配当目的とか

あれ、割引済み現在価値が出てこないぞ。まあ出すと難しくなるからこれでいいや。
えっと、市場の不完全性については無視の方向で。

子供も計算に入れる

実はあまり変わりません。なぜなら相続税を計算に入れると子供に金を残さずに教育費と生活費に回すのが正解だからです。
まあ、子供がたくさんいたり、子供を医者やスポーツ選手や音楽家にしたい場合はお金がそれなりに必要ですが、それって相当レアケースですよ?

地方生活の場合

東京の物価が高すぎるので、所得を同じとすれば多少の違いは物価の違いで吸収されます。

問題

以上の議論をfhvbwxに適用する場合に最も非現実的な部分を指摘せよ。

*1:買ったのはごくスタンダードなマクロ経済学の入門書です。個人的には動学最適化に興味があるんですが、勉強したところで役に立つわけじゃなし、学ぶことで自分のためになるわけでもなしというわけでこの程度で自分には十分かと思っています

*2:というかファイナンス的視点が含まれた考察自体少ないわけですが

*3:もうちょっと正確に言うと配偶者の消費が配偶者の所得を上回らないことが条件

*4:一応ビデオポーカーとかは理論上回収率は100%を越えられますからね

*5:外国為替証拠金取引でそれなりの倍率を掛ければさすがに手数料はほとんど無視できますけどリスクの方もとんでもないことに