リスク解析戦略研究センター開所記念講演会に行ってきました

詳細は矢野さんの講演ログを参照されたし。公開が中止されちゃったよ。うわーんid:koiti_yanoさん経由で中西先生から講演スライドをもらいました。ありがとうございます>中西先生&矢野さん。これは講演会の感想なので、講演スライドに基づいた修正をする気はありませんが、勘違いしていたところは直しておきます。
行ってきました。良かった。感動した。半日を犠牲にした価値はあった。希望が湧いてきた。
会場は半分ぐらい埋まってた。荷物を置くスペースを考えるとあんなものな気もしますが、ちょっと告知が足りなかったのではと。ほとんど男。7割方、スーツを着たおっさん。別の一橋記念講堂での講演の時はおっさんと学生が半々ぐらいだったので、ちょっと意外。指定席が全部埋まってなかった。招待状をもらった偉い先生はちゃんと来るか、私のところに回すように。写真がうざいぐらいたくさん写真が撮られてたので、どこに座ったかは書きません。
結局、田中直毅が一時間ちょっと、中西準子先生が一時間弱ぐらい講演されました。質問時間がなかったのが残念。
前半の田中直毅はまあどうでも良いです。予稿には連銀の文字があったので、すわバーナンキトークかと思ったのですがあまり関係ありませんでした。というか、グリーンスパンの名前は出てきたけど、バーナンキの名前はなかった。量的緩和しないと金融が滅茶苦茶になるみたいな話を一時間も聴かされて耐えてた私ちょうえらい。リスクとか全然関係なかった。

中西先生の講演は良かった。リスク論ってなにってレベルからある程度知ってるレベルまで満足できたと思う。「化学物質リスクの過去・現状・将来」というタイトルだったので、化学物質の話ばかりかと思ったがそんなことはなかった。大量にスライドを使われたのとメモを取っていたため、スライドを追い切れなかったのが残念。組織のPRを配るぐらいならスライドを印刷したものを配ろうよ>統計数理研究所。最初の方の環境問題に立ち向かうには正義感で立ち向かうのではなく、科学で立ち向かわなければならないには感動した。*1後、徹底的に勉強しなさい。まず、過去というかハザード比とはリスクとはなにかとかリスク論をどうして始めたのかとかそういう話、わかりやすい。*2よく使われているハザード比の欠点と、疫学的な結果から導かれたハザード比自体は受け入れた上で欠点を克服するためにリスクに変換すること。欠点は異種のリスクが比較できないことと不確実性によって安全率が左右されるため、新しく疑いが出てきた物質の摂取基準値がやたら高くなること。ハザード比を確率的リスクに変えるための方法についての説明のところで用量の確率分布のことをリスクと(多分これにハザードをかけたものと言うのを忘れたんだと思いますが)おっしゃっていたようですが、リスクの定義を考えると
リスク=ハザードの分布×用量の確率分布
のはずな気がします。
既にコメントに書きましたが、勘違いに気付きました。講演スライド中で10^-6の死亡リスクと書かれていることとリスクの大きさが損失余命の次元で表示されていることは数学的には整合性が取れていないように見えますが、リスク論でのリスクの定義としてはこれで良いようです。*3ただ、リスクはあるエンドポイントの生起確率というのはやっぱりおかしいと思います。時間が取れたら中西先生のご著書を拝見して検討してみたいと思います。*4それから、産総研ハーバード大学の研究について。どっちもすごい。雑感で読んだ覚えのある内容もあったが、まとまっていて分かりやすかった。半分ぐらい経ったところあとりで予防原則について。この辺は雑感の内容とほとんど重なっていた。とりあえず、省略。最後にこれからの研究について。あと、中西先生の著書「環境リスク学―不安の海の羅針盤」が毎日出版文化賞を取られたそうです。おめでとうございます。リスク論の第一人者だから呼んだという感じでリスク解析戦略研究センターとの関係はあまり分からなかった。まあ、こっちもリスク解析戦略研究センターについてはどうでも良かったので良いですが。

資料の中に統計数理研究所のノートが入っていたので、家宝にしようかなと。なんの変哲もない紙切れですが。
どうでもいいけど、途中でいびきかいて寝てた奴はリスクの海の中に投げ込まれるべき。所長の挨拶中にパソコン開いてた人もどうかと。

*1:内容は正確じゃないかもしれない

*2:あ、リスクの説明するところで言葉がちょっと不足していた気がしましたが、あの定義であってるのかな

*3:数学的にはある無次元量の大きさを取ると次元を持つと言うことはありえないはず。統計学的に正しいことなのだろうか?

*4:かなり無理