話が違う


祖父・吉田茂の言葉
手嶋 大臣は、まさに吉田総理のすぐ傍らにおられて、当時の最高の国家機密を聞いていた。それを取材に来た大物記者たちのふるまいに嫌気がさして、それ以来、メディアとのコミュニケーションができなくなったという指摘もありますが。
麻生 いやいや、あの頃吉田番として本当に入り込んでいた記者というのは3、4人ですから。朝日新聞の小島安信さんとか、皆独特の人でした。

あれ、記者にこづかれてマスメディアが嫌いになったんじゃなかったんですか。

手嶋 そういった方々は、みな本当の意味で書かない大記者ですよね。
麻生 絶対に書かない。吉田茂は長く海外にいて、戦争がはじまったら情報が遮断されてしまい、基本的に国内のことにはまったく無知だった。それがいきなり昭和21年に大命降下みたいな形で内閣総理大臣になった。新憲法下での初めての選挙が昭和22年の片山内閣のとき。どの政治家がどうだなんてまったく知らないから、朝日新聞の小島さんから政局や選挙の情報、候補者のことをよく聞いていました。小島さんの情報と役人の情報の二つをかなり大事に使っていたようです。  
 じゃあ、小島さんの話だけで人物評価をしているかというと、全然違う。最後は自分の目で閣僚の人選などをしていた。巻紙に自分で法務、外務、大蔵とか書くでしょう。その下に名前を書いていって、私に持たせて、読んでみると言う。そして、朱の筆で書きかえて、これを内閣書記官長に渡しておけという。それが組閣名簿なんです。その名簿を知るために、新聞記者が鎬を削るのだけど、新聞記者も、お菓子1個でガキに取り入れば、スクープが抜けるんじゃないかというくらいの知恵はつく。(笑)
手嶋 現に大スクープ写真で、太郎少年が撮ったものがあります。
麻生 あれは、サン写真新聞の時任さんという人が、孫を取り込んだ(笑)。写真機を持たせて、撮り方を教えて、撮ってきた写真をどんどん新聞に載せたわけですよ。どうしてこんな写真が撮れるんだ、航空写真じゃないかとかいって、当時はけっこう話題になりましたね。吉田も孫に撮られているとは思わなかったでしょう。

ちょwwwおまwwww
どう考えてもそれはばれてるでしょ。


手嶋 9月以降の総裁選挙の争点として、韓国、中国との関係を誰がどういうふうに改善していくのか、メディアの焦点があたっています。そこで、外交のトゲになってるのが靖国問題です。麻生外務大臣の発言をとらえて、東京にいる外国のメディアのみならず、外交官もそれを読み解いて公電を打つわけです。しかし、麻生発言をどう読めばいいか、ふだんは補助線が引かれていないので読みにくいと皆いいます。それで、私は読んでいる文献が少し違うんじゃないかと、在京の外交官にアドバイスをしています。漫画の『常務島耕作』、それから『勇午』がポイントです。ま、『中央公論』の読者でご存じの方はあまりいないかもしれませんが。これらのなかにこそ麻生外交を読み解くための一種の鍵が隠されている。日本のコミック誌を引用されつつ公電を打つと、受け取る側に大変知的に見えるのではないかと助言しています。
麻生 (笑)
お前も漫画オタか!