高齢者を馬鹿にするのは良くないと思いますよ

2007年03月03日 sea_side エントリー, 経済 >デフレを対岸の火と思っている人< 高齢者のほとんどが当てはまってると思いますよー。

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定収入がある人および扶養家族にとってはデフレによって収入が失われる恐れがなければ*1実際デフレは対岸の火であるわけで、高齢者をことさら槍玉に挙げる必要はないかと思われます。あえて、一般の賃金労働者と高齢者の違いを明確にするならば、デフレによる失業リスクを感じてない賃金労働者の多くは同世代の苦しみを理解しているのに対し、高齢者の多くはデフレに苦しんでいる人たちの存在を無視している*2ことですね。対岸の火事へ同情や支援をするかどうかが違いですね。
何故、高齢者は若いひとがデフレに苦しんでいることを理解できないのでしょうか。一つの原因は世代デバイドです。人間は自分と同じぐらいの年齢の人間のことは比較的理解しやすいですが、ひとまわり以上年が離れた人のことを理解することを非常に苦手としています。例えば、最近の若い者は……という台詞は古代エジプトから存在しています。もう一つは高齢者で貧困にあえいでいるのは無年金や年金や貯蓄が少なかったり、病気や障害による負担がある場合などで、前者は本人の現役時代が原因であり、後者は国の支援が足りないからだと思われてしまうからです。
具体的な例をあげると、BUNTENさんの苦境に対してなんらかの言及をしたのはid:kmori58さん、bewaadさん、田中先生、id:finalventさん、id:iori3さん、稲葉先生と明らかにBUNTENさんと同年代の方(年齢不詳ですが、恐らくbewaadさんとiori3さんはBUNTENさんよりも若いかと思われます)が多いです。少なくとも調べた限りでは高齢者*3で言及しているかたは皆無でした。

まとめ

  • デフレによるリターンがリスクを上回っているのは高齢者だけではない
  • しかし、社会全体ではデフレによる損失は利益を遙かに上回っている
  • 同年代の苦境を見ることでそのことに現役労働者の多くは気付いているが、高齢者は気付いていない
    • 違う世代の苦境は理解しがたい
    • 同じ世代の苦境はデフレが原因であると思われづらい

*1:世代人口を考慮すると現在40代以下の正規労働者はマクロ経済の影響による失業よりもミクロ経済による失業リスク(業界内競争による業績不振の煽りを受けた倒産やリストラ)の方が高く感じていると思われます

*2:少なくとも年金を削って失業者への支援に回すことに賛成はしない

*3:年齢と言うよりも年金をもらってリタイアしているかどうかですが