id:objectOの憂鬱

SFをいつまで信じていたかなんてことは、他愛もない世間話にもならないくらいどうでもいい話だが、それでもオレは、いつまでSFなどという想像上のおはなしを信じていたかというと、これは確信を持って言えるが、最初から信じてなどいなかった。
後楽園のイベントに現れたヒーローはニセヒーローだと理解していたし、記憶をたどると周囲にいた園児たちもそれが本物だとは思っていないような目つきでヒーローのコスプレをしたDMC信者を眺めていたように思う。そんなこんなでヒーローが仲間の首を刈っているところを目撃したわけでもないのに、ピンチの時にしか仕事をしないヒーローの存在を疑っていた賢しい俺なのだが、はてさて、宇宙人や未来人や怪獣や正体不明の物や超能力者やヒーロー達が、この世に存在していないのに気づいたのは、相当後になってからだった。いや、本当は気づいていたのだが、ただ気づきたくなかっただけなのだ。オレは心の底から、宇宙人や未来人や怪獣や正体不明の物や超能力者やヒーロー達が、目の前にフラリと出てきてくれることを望んでいたのだ。
しかし、現実ってのは意外と厳しい。

世界の物理法則が良くできていることに関心しつつ、いつしかオレはSFを読まなくなっていた。タイムマシーン、永久機関、ワープ、超光速通信、四次元ポケット、そんなのあるわけねーでも、ちょっとはあって欲しいみたいな・・・最大公約数的なことを考えるようになるまで、オレも成長したのさ。

blogを始める頃には、オレはもうそんなガキな夢を見ることからも卒業して、世の中の普通さにも慣れていた。
オレはたいした感慨もなくオフ会に行き、そいつと出会った。