柳生百合剣

「今回もひどいです。以上。」とさえ書いておけばどの単行本でも感想として成立してしまう荒山徹先生の最新完結絶賛単行本待ち作品です。

今回の特徴

柳生薔薇剣の続編ですが、矩香は(夢の中にしか)出てきません。*1
友景時空ですが、友景は登場しません。なにやってるんですか。
「ぼくらの宗矩くん」が出てきますが、謀略をあまりめぐらしません。十兵衛を座敷牢に閉じこめたり、世間話をする程度です。すごいぼんくらです。
柳生大戦争のせいで出てくると脳内レッドアラームが鳴り出す友矩は出てきますが、コンディショングリーンです。いや、宗矩よりも策士だったり、十兵衛の成長を見守ったりしますが。
尾張柳生は出てきません。
小野派一刀流が出てきますが、ひどい扱いです。
山風先生をファックしようとして、しそこなった感があります。その代わり明らかにまずいところに魔手が伸びちゃってます。
珍しいことに舞台は全編日本です。しかも、いわゆる朝鮮人が出てきません。でも、全然ポリティカルコレクトではありません。
今回伝奇小説としての白眉が「おててつないで社交ダンスチャンバラ」。これは多分前例がないし、真似する人もない。空前絶後

結論

ファック文芸部並みの縛りで荒山先生に小説を書かせたけど、相変わらずひどいままでしかもおもしろさが損なわれちゃったという感じです。柳生薔薇剣の時もそうでしたが、あんまり小説とりっぱーの編集の人は荒山先生のコントロールできていないようです。まあ、荒山先生をうまくコントロールしている編集者なんているとは思えませんが。せいぜい暴走の方向を制御するか動けないようにするぐらいでしょう。
逆に、荒山先生が編集のコントロール抜きでセルフコントロールに成功しているとしたら、「成長したなあ」

余談

荒山先生は歴史はファックするけど、運命はファックしないあたりが普通のクリエイターの違いだと思います。

*1:その代わり、ぱちもんが出てきます。