柳生宗矩の処世術とリーダーの資格

「TITLE」誌の時代小説特集をひねくれつつ楽しむ: 時代伝奇夢中道 主水血笑録を読んで、これを思い出しました。
長いので、関連部分だけ。
深夜のファミレスで。

 私の席の隣の通路を通って、一人の男がやってきた。紺の背広を着たその男は文庫本を読んでいたサラリーマン風の男と待ち合わせをしていたらしく、サラリーマンの向かいに座った。どうして夜中の2時に背広なんか着て待ち合わせしているのだろう。

 「何を読んでたんですか」後から来た紺の背広が言った。
 「いや、たいしたもんじゃないです。これですよ」
 「ははあ、”劉備玄徳の処世術とリーダーの資格”ですか。私も読みましたよ」

 読んだんかい! とツッコミを入れる隙も与えず、サラリーマンが答える。

 「役に立ちますね。明日から会社で応用しますよ」
 応用するんかい! とツッコミを入れる隙も与えず紺の背広が受ける。
 「そうですね。私はすでに応用しています」

 すでに応用しとるんかい!? と私が驚いたのも束の間、紺の背広が持ってきた大きな紙袋から何かを取り出した。

 「これなんですが」
 「や、とうとう出来ましたか。間に合いましたね。素晴らしい!」

 サラリーマンは紺の背広が取り出した、何か布で出来た服のような物を手に取ると、感嘆して紺の背広を見つめた。

 「広げていいですか?」

 サラリーマンが紺の背広に言うと、紺の背広は少しあわてた様子でその服のようなものを手で押さえた。

 「いや、ここではちょっと」

 私はその服のようなものに興味を惹かれて、気が付かれない程度によく観察してみた。白を基調にしたシルクのような布で、鮮やかな青と黄色、少しだけ赤も見えている。折り畳まれているが、やはり服のようだ。もう少し観察したかったが、紺の背広がそれをしまってしまった。

 「いやあ、楽しみですね。日曜が」サラリーマンが言う。「目立ちますよ、私たち」
 「別のサークルの知人に聞いたんですが、彼らは”卒業”をやるそうです。別のところは”To Hart”です」
 「やはり詩織ちゃんなんか、たくさんいるんでしょうか」
 「もちろんでしょう。”ときメモ”は根強いです」

 な、何の話をしてるんだ?

 「ああ、早く着たいものです。あなたが作ったその服。私がムーンで、あなたがウラヌス」

http://www011.upp.so-net.ne.jp/kat/txt/nikki/990921.htm

結論

  1. ビジネスに役立てようなんて考えるやつはどうしようもない
  2. そんややつらのことをどうしようもないと思っているわれわれもどうしようもない

○○の処世術とリーダーの資格

  • 臨海君の処世術とリーダーの資格
    • 役に立ちそうにない
  • 徳川秀忠の処世術とリーダーの資格
    • 隆慶版ですか