2005年を振り返る(7)‐総選挙の先にあるもの

アレンド・レイプハルト「民主主義対民主主義」2005年を振り返る(7)‐総選挙の先にあるものはとても参考になりました。
ということは民主党は総選挙で争点を一つに絞って第三党以下を駆逐するべきだったのに、現実には争点を曖昧にしてしまったために社民党共産党と票を食い合ってしまったと。逆に、自民党は争点を複数にすることで公明党に配慮するべきだったのではないだろうか。そして、意外なことに社民党共産党の今回の戦略は正しかった(五つの政党が生き残るには争点を四つにすることが必要になる*1)とか色々考察できます。
また、小選挙区→二大政党制→争点の単一化(社会経済のみが争点になる)なのかな。そうすると、外交政策は選挙の争点としては切り捨てられるか、あるいは社会経済を押しのけて争点となる必要があることになる。社民党共産党が生き残っているのは小選挙区比例代表並列制であることや二大政党制が完成していないからではなく、争点の単一化が達成されていないからではないだろうか。
ただ、評価軸が増えれば増えるほど政党数が増えるという現象と言い切れるかは疑問。争点の数によって政党が編成されるのか、政党の数によって評価軸が決定されるのか、両者が相互に影響しあっているのか、あるいは第三の要因によって両者は決定されるのか、そこらへんはわかっていないのではないでしょうか(わかりやすく書いただけだと思いますが)。

*1:レイプハルトによれば宗教、体制支持、外交政策は中程度の争点にすぎないわけで一政党が生き残るには一つの重要な争点を主張するかこれらのような中程度の争点を二つ主張する必要があって長期的には無理がありそうですが