若年雇用問題についての私見

これは過去のエントリーを再編集したものです。現在、書きかけ。

個人的には非正規雇用者よりもニートとその予備軍の方が問題だと思っています。リフレを前提にすれば、正規雇用を希望すれば採用される可能性は高いので、希望しない人と正規雇用の求人と今までやってきた非正規雇用とか履歴とかがマッチしていない人だけが問題だと思うのです。前者は自由意志ですし、後者はありきたりですが、再教育で大体解決するでしょう。*1

ニート問題についてはリフレによるマクロの効果が相当利いてくると思います。仕事がないから無業者という人が結構な割合を占めていると見積もられている*2わけですから。あと、「森永理論」(お金がないから結婚できない)が正しければリフレによって家事手伝い層の大部分は永久就職が可能になるかと思われます。永久就職が良いのかどうかは分かりませんが、*3本人が望むならとやかく言うことではないかと思います。問題は男性の引きこもり(あるいはそれに近い層)ですが、これはNo Idea。でも、現状ではどれぐらいいるのか統計的に分かっていないっぽいので、リフレで抽出するのが手っ取り早そう。少なければカウンセラーとか動員して社会復帰を目指してもらえば大体何とかなると思います。手に負えなかったらどうしましょうか。そこらへんが社会学屋さんのお仕事だとおもいます。頑張ってください>社会学の偉い人

それらよりも問題なのは大学院に溜まってるバッファーです。*4昔より専門教育を受けた人間は増えているわけで、企業とかが昔(バブルの最盛期)より専門教育を受けた人間に対する求人を増やさないと駄目なのです。業種のミスマッチは再教育で転換できると思いますが、教育レベルの不一致は難しいです。博士号を持っている人に大学卒の初任給で我慢しろと言いますか?でも、既に家庭を持っているかもしれませんよ?学費を余分に払っているのに、生涯賃金が減るのは経済学的にどうなんですか?*5

まあ、無理矢理企業に求人させるわけにも行きませんが、企業が駄目なら国とか地方公共団体とか独立行政法人とかでなんとかするという手もあるわけです。非正規雇用者にこだわるよりもこっちの方が有益な気がしますが、どうでしょうか?*6

追記

あまり書きたくなかったんですが、この選択肢について触れないわけと言うわけにもいかないので書いておくと、現代版「金の卵」*7という選択肢もあります。
それは大学院への補助金が無駄になるので、好ましくないと思いますが、放置しておくと自然に「金の卵」や学歴放棄に流れるのは間違いないと思います。

過去にいただいたコメントとそれについてのレスポンス

# Baatarism 『「大学院に溜まってるバッファー」が直面してる問題は、この記事に書かれているようなことだと思います。
勉強や知識だけでは飯が食えなくなってきていて、飯を食うための仕事には対人能力やカネに絡む仕事をする能力が求められるけど、もともとそういうことを嫌っている人たちが大学院に進んでいるのと、大学院ではそういうことを身につける機会もないために、バッファー組は就職が難しいということなんでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20050622/p2
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20050624/p1

# fhvbwx 『あれ、エントリーにお返事を書いたつもりだったのに。消えていました。すいません。

それって、世の大学院生に喧嘩をお売りになるおつもりでつか?
あと、それは大学院生だけじゃなくて理系(正確に言えば理学系)の大学生にも言えることではないでしょうか。しかし、全ての理系の人間に充分な対人能力を身につけさせるのは不可能ではないでしょうか。私にはそれを実現させる方法は宇宙コロニーを作ることと人類補完計画を遂行することぐらいしか思いつきません。(アシモフにもありましたが、あれこそエヴァの元ネタですな)
やはり、対人能力をマクロに求めてはいけないと思います。

カネに絡む仕事だけが必要な仕事ではないことは言うまでもないと思います。カネに絡む職種なのにあまり金を稼げないのはミスマッチの問題ですが、それは比較優位な職種に移ってもらえばすむことです。(簡単に金を稼げるようになってもらえればそれでもいいですが)

あと、最近話題の本田先生は「専門性」に期待なさっているそうです。
……駄目だ。「専門性」に絶望した!

# Baatarism 『実は僕自身がこの類型にドンピシャだったりします。w
だから、あの梅田さんの記事は衝撃的でしたね。
ただ広義の「知の創出」職の需要が小さくなっているのはどうやら間違いなさそうなので、このミスマッチをどうにかしないと「博士(はくし)が100にんいるむら」問題は解決できないと思うんですが。(汗)
http://www.geocities.jp/dondokodon41412002/index.html

# fhvbwx 『つhttp://d.hatena.ne.jp/rna/20050505/p1
ご存知かもしれませんが、念のため。

リフレ派でこの類型に当てはまらない人は……矢野さんとhicksianさんとbewaadさんぐらい?orz
>「知の創出」職の需要が小さくなっている
デフレのせいです。多分。しかし、需要に見合わない過剰供給が増えたことは事実です。後、大学院の出口での需要(求人数)と入り口での需要(進学希望者数)がマッチしていないことも問題だと思います。
出口での供給は見合っていませんが、入り口での供給は見合っている(のかどうか実は良く知らないのですが)のに出口のミスマッチだけを問題にするのも良くないとは思いますが。』

*1:本当は再教育費用を企業が出すのが望ましい

*2:2005-04-152005-04-182006-02-22参照

*3:社会的圧力をかけずに

*4:みなさまお忘れのようですが、例の話の発端は内藤先生の増えすぎた大学院生問題だったんですよ

*5:現在でも平均的には大学院の学費に生涯賃金の増加が見合ってないと思います

*6:と書いてみたものの、やっぱりこれは数的に無理な気がします

*7:海外への就職斡旋や集団就職などを促す政策、および自発的な海外移住(出稼ぎ)