さよならジル様

さよならジル様について

モーニング掲載のちばてつや賞大賞受賞短編読み切り。欠陥(というよりキズ)はあるものの(最近漫画不作気味なので)良作。
ビビリメガネを一般向けにしたというよりも、オタク版彼氏彼女の事情(読み切り)。もうちょっと切り口を変えると、おたくの死と再生の物語。あるいは、おたくの成長更正物語。やっぱり、オタク版彼氏彼女の事情といった方が良いですね。

作者について

公式サイト
情報が全然ないんですが。
こざき亜衣漫画日記

いいところ

(内なる)オタク*1と世間体とをどうバランスを取っていくかというお話は結構あります。それらの中では読み切りとしては良い線行ってます。メッセージ性が弱いですが。
この手のネタはいくらでもすべれるので、破綻なくまとめているのは好印象。読み切りだからぼろが出ていないという部分もあるでしょうが。

悪いところ

以下、多少ネタばれ。読み切りなので、次号が出たあたりで続きを読むを解除する方向で。

メッセージ

好きなものが好きでなにが悪い、どこが恥ずかしいという開き直りは恋愛物で食傷しています。
万人オタク説はあらぬ方向に行きやすい所をうまくコントロールしているあたりはいいですが、やっぱりそういう問題ではないのではないかと。

田島氏について

瑕疵。そのおちは無理。せめて、死んだ同胞とかペンネームでつきあっていた友人とかにしましょう。それから、田島氏の名前がどこから出てきたかが不明。
というか、最近のオタクはなになに氏なんて言わない。そもそも親しい友人を〜〜氏と呼ぶのはトキワ荘あたりからの男性おたくのジャーゴン腐女子は一般的には使いません*2
安直にガールミートボーイにしなかったのは好感は持てますが、田島氏は理想の男性にした方が良かったような。
ちなみに、伏線は見逃しました。ちゃんと見ていれば気づけたのに。

一番すごいところ

「さよならジル様」のよさをちばてつやが理解したところ。他に良い作品がなかった可能性も否定できないが。

><

*1:エゴとか本当の自分とかでもOK

*2:同人系、特に801文化は詳しくないので間違っているかもしれません。ひょっとすると、少年漫画系あたりは使っているかもしれません